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通販会社に商品を注文しようと電話をかけたが、なかなかつながらない。 パソコンの動きがおかしいのでサービスセンターに電話したが、何度かけても「もう一度おかけ直し下さい」とのメッセージが流れるだけ。
誰でも一度はこんな経験があるだろう。 電話がつながらなければ消費者は商品の購入をやめ、「アフタサービスがなかなか受けられない」とメーカーに対してマイナス・イメージを抱く。
「たかが電話」がビジネス・チャンスまでも、左右してしまうわけだ。 電話利用の研究が進んでいる米国では高度なIT(インフォメーション・テクノロジ)を駆使して、この問題を既に解決している。
企業の電話回線が混雑してつながりにくくなっている場合、例えば「十五分後におかけ直しください」というメッセージが流れる。 こ発信者の電話番号が着信時にわかることは、他にも大きなメリットがある。
相手が顧客であれば、着信とほぼ同時に電話に連動きせたパソコンのスクリーンに詳しい顧客データを表示することができるからだ。 過去のデータを利用したきめ細かいサービスを提供することで顧客満足度を高め、ひいてはより多くの顧客獲得へとつなげていくことができる。
こうしたコンピュータ・テレフォニがより進化すれば、電話だけでなく、ファックスや電子メールなども取り込んだマルチメディア・システムへ発展する。 音声で届いたデータを文書の形で取り出すことも可能になる。
情報を決められたサーバーに格納しておけば、できる。 の「十五分」という数字はその企業にかかってくる電話の頻度、長き、回線数、時間帯などをすべて考慮して割り出した数字なので、かけ直せばまず九割の確率でつながるわけ。

一見、なんでもない技術のようだが、日本ではまだ実現していない。 そして、米国では世界に先駆けて、電話の発信者の電話番号を受信者側に知らせるコーラーID」と呼ばれるサービスを実施している。
このサービスと前述の技術を組み合わせれば、同じ電話番号から2度目のアクセスがあった時にコンピュータが優先的に受信に回すといったより高度な環境が実現。 再発信に関して、一○○パーセントの受信が可能だ。
優良顧客からの電話を優先的につないだり、こちらからかけ直せるようなシステム作りも例えば、営業回りの途中でポータブル・パソコンから様々なデータを取り出すこともできるようになるわけだ。 日本でも九七年度よりNTTが、先の「コーラーID」と同様のサービスを欧米諸国を追いかける形でようやく始めることになった。
一般には受信したくない電話を排除する、いたずら電話撃退の手段として報道されている「発信電話番号表示サービス」(発ID)がそれ。 導入が遅れた理由は、従来型交換機から発IDを可能にするディジタル交換機(交換用コンピュータ)への移行について、導入当初は地域差のあった欧米とは違って、初めから全国レベルでの導入を強く意識したことと、プライバシー問題に苦慮したためだ。
電話とコンピュータを融合して利用する方法は総じて「コンピュータ・テレフォニ」と呼ばれる。 米国では、コンピュータ・テレフォニ関連の市場は三五億ドルに達し、年率三○パーセントの規模で急速に成長しているという。
この発IDサービスの実施をきっかけに、日本のコンピュータ・テレフォニも飛躍的な変化を遂げようとしている。 ここでは、発IDサービスが切り開く日本型コンピュータ・テレフォニの可能性を探っていく。
このように効果的な電話の応対ができるのは、カワサキがコーラーIDという電話会社システムのバックアップで売り上げ伸ばす米国カワサキベテラン・エンジニアとディーラーを結ぶホットライン「ハロウー、ジョーズ・カワサキ!ハウ・キャナイ・ヘルプ・ユウ?」。 米カワサキ・モーターズ社(以下、カワサキ)のディーラー・テクニカル・ホットラインでは、ディーラーからかかってきた電話にはいつもこんな調子で切り出している。

オペレータは電話の第一声で、相手が名乗ってもいないのに「ジョーズ・カワサキ」と特定のディーラー名で呼びかけているのだ。 相手の名前以外は決まり文句である。
「実はね、先日、エンジンの調子が悪くて駆動部のマイコンを交換したんだけど、まだいまひとつなんだよ」。 ディーラーのジョーさんもすぐに本論に入ってくる。
「ああ、こちらのアドバイスでそれを交換したようだね。 それでも以前と変わらないのかい?」。
お互いに名前も名乗らないまま話は進み、あっと言う間に問題は解決してしまのサービスを使った高度な電話システムを導入しているためだ。 「コーラーID」とは、電話を受ける前に発信者の番号を受信者に知らせてくれる米国のサービス。
第四章で詳しく述べるが、日本でも「発IDサービス」として、一九九七年度にNTTが開始するサービスだ。 ちなみに、受信者側はサービスを受けるために電話会社と有料の契約をする。
カワサキのディーラー・テクニカル・ホットラインのセンターにはひっきりなしに電話がかかってくる。 しかし、なぜか呼び出し音はない。
電話のコールは、すべてパソコン画面に表示されるからだ。 オペレータの頭には電話交換士のようなヘッドフォンとマイクが付いている。
かかってきた電話はパソコンのマウスをクリックするとつながる仕組みだ。 先の例のように、いきなり具体的な内容に飛び込んでいけるのは、電話番号と連動した社内データベース(DB)からディーラーを特定、その情報を着信とほぼ同時にパソコン・スクリーンに表示しているためだ。
「カワサキ」ブランドのバイクやジェットスキーは米国でも根強い人気を誇る。 米カワサキ・モーターズ社は、一九六六年三月に設立された川崎重工の関連会社である。
現在、従業員数は四一三人。 九五年の売り上げは八億三七○○万ドルで、毎年順調に業績を伸ばしている一台。

フランチャイズで展開しているカワサキのディーラーの数は、全米各地に現在一五三四3四つのコールセンターを受け持つシステムカワサキのように、米国ではコーラーIDなどの電話サービスをビジネスに活用しているケースが数冬乏見られる。 特に電話とコンピュータを結びつけて、ざらに高度なシステムを展開しているものはコンピュータ・テレフォニー(CTIUno目官雪目@}@go皇4 社もある。
これらディーラーとカサワキ本社とは常に密接な関係を保ち、実務情報でも連絡を取り合う必要がある。 当然ながら、本社にはディーラIDBが必須だ。
このディーラIDBには社名、所在地、電話番号、取引内容はもちろん、保守・整備関連の相談、措置などの記録が残されている。 いつ、どんな相談があって、どんな措置をしたのか。
また、誰が担当したのか、といった情報も一目でわかるようになっている。 電話に対応するのは一線で活躍している優秀なベテラン・エンジニア。
腕が落ちないようにローテーションで現場の保守作業も受け持っている。 それだけに、電話の応対も実務情報に詳しいリアルなものになる。

限られた人数の中でもローテーションを組んで電話に応対できるのは、高度な電話システムのお陰だ。 製品の性能の良さに加えて、完璧な保守体制。
しかも、どんな問い合わせに対しても相手を待たせることなくすぐに対応できる電話システム。 これらを武器にカワサキはユーザーの信頼を勝ち得ているわけだ。

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